【リリック和訳・解説】SPEEDBOAT|Denzel Curry

SPEEDBOATはDenzel Curryが2019年5月31日に発表した4枚目のアルバム「ZUU」に収録されています。

シングルとしては同5月21日にリリース。

こちらの記事ではSPEEDBOATの和訳をメインに、使われているスラングの解説と、最後に翻訳した感想を載せています。ぜひじっくり読んでいってください。

8小節の短いHOOKが繰り替えされる曲で、とても中毒性があり、暗い雰囲気の中にキャッチーな要素を含んでいるため、非ネイティブの私たちでも口ずさみやすく覚えやすい曲だと思います。

Music Videoはそれ用に構成が組み替えられており、途中セリフが挟まれていたりとショートフィルム的な要素があります。

SPEEDBOAT – Denzel Curryのリリック・和訳

[Intro]

I went from stickin’ pennies in the jar to offshore bank accounts

俺は瓶の中のわずかな金(棒状の1セント銅貨)からオフショア銀行口座を作るまでにいたった

 

See me and my conglomerates is lucrative

見ろよ、俺の大企業は大儲け

 

I’m talkin’ big money, big chains, big guns, nigga

大金、ビッグチェーン、ビッグガンの話をしよう

 

More power

もっと力を

 

[Chorus]

Big talk, speedboat (Speedboat)

でかい話、スピードボード

 

Pray to God I don’t get repoed (Repoed)

俺が奪われないように神に祈れ

 

Didn’t go to college for a free throw (Swish)

大学でフリースローする道は選ばなかった

 

People gettin’ killed through the peephole (Blah)

その覗き穴から人々は殺されていく

 

Have your money up before you go to war (Hmm)

戦争に行く前に金を稼げ

 

Put the mask on like a luchador (Hmm)

ルチャドールみたいにマスクをつけろ

 

My dawg didn’t make it to 21, so I gotta make it past 24

俺のダチは21にもなれなかった。俺は24歳を迎える

 

Big talk, speedboat (Speedboat)

でかい話、スピードボート

 

Pray to God I don’t get repoed (Repoed)

俺が奪われないように神に祈れ

 

Didn’t go to college for a free throw (Swish)

大学でフリースローする道は選ばなかった

 

People gettin’ killed through the peephole (Blah)

その覗き穴から人々は殺されていく

 

Have your money up before you go to war (Hmm)

戦争に行く前に金を稼げ

 

Put the mask on like a luchador (Hmm)

ルチャドールみたいにマスクをつけろ

 

My dawg didn’t make it to 21, so I gotta make it past 24

俺のダチは21にもなれなかった。俺は24歳を迎える

 

[Verse 1]

Put a red beam to your head like Arby’s

アービーズのロゴみたいに真っ赤なビームをお前の額に当てる

 

Either go to school, go to jail or the army

学校に行くか、ムショ行きか軍隊に入るか

 

Keep a close eye on the things tryna harm me

俺に危害を加えようとするものから目を離すな(keep a close eye on~=目を光らす、目を離さない、監視する)

 

Warn me if anybody try to swarm me, uh

俺に群がるやつがいたら警告しろ

 

Invest in the rock and a Rottweiler

ロックと警察犬に投資しろrock=音楽のジャンル、コカインの泡、バスケットボールなどスラングとしての意味は幅広い)

 

Pile up hella stacks when the bills pile up

死ぬほど金を貯めて貯めて貯めるんだ

 

Dollar is the only way to get the style up

金だけが身なりを整える方法だ

 

Riled up, catchin’ motherfuckers usin’ dial-up

イラつく、ダイヤルアップ使ってる様なクソ野郎は捕まえておく

 

My dawg is gone and the result is to have my teflon

俺のダチは去って、俺は防弾ベストを持つ

 

Christian Dior and the fashion beyond

クリスチャンディオールとファッションの向こう

 

Talkin’ Polo, call me Polow da Don

ポロの話しをして、俺をポロウダドンと呼べ

 

Throw some D’s on the donk

“donk(まぬけ)”からDを捨てるonk=極秘計画、エジプトの女神、フィラデルフィアではペニスなど様々な意味を持つスラング)

 

I got hella keys and the funk

俺はまじで鍵とファンクを手に入れた

 

I put hella Gs in the vault

死ぬほど金庫に金を入れてGs=金)

 

It took only three to assault, damn

襲撃にはたった3つしかかからなかったぜ

 

[Pre-Chorus]

Jesus, please deliver us from evil

ジーザス、悪魔からわれわれを救ってください

 

Please pray over all my people

俺を取り囲むすべての人々、みんな祈ってくれ

 

What you see in life’s illegal

イリーガルな人生にお前が見たもの

 

I don’t wanna use my desert eagle

俺はデザートイーグルは使いたくないんだ

 

[Chorus]

Big talk, speedboat (Speedboat)

でかい話、スピードボード

 

Pray to God I don’t get repoed (Repoed)

俺が奪われないように神に祈れ

 

Didn’t go to college for a free throw (Swish)

大学でフリースローする道は選ばなかった

 

People gettin’ killed through the peephole (Blah)

その覗き穴から人々は殺されていく

 

Have your money up before you go to war (Hmm)

戦争に行く前に金を稼げ

 

Put the mask on like a luchador (Hmm)

ルチャドールみたいにマスクをつけろ

 

My dawg didn’t make it to 21, so I gotta make it past 24

俺のダチは21にもなれなかった。俺は24歳を迎える

 

Big talk, speedboat (Speedboat)

でかい話、スピードボード

 

Pray to God I don’t get repoed (Repoed)

俺が奪われないように神に祈れ

 

Didn’t go to college for a free throw (Swish)

大学でフリースローする道は選ばなかった

 

People gettin’ killed through the peephole (Blah)

その覗き穴から人々は殺されていく

 

Have your money up before you go to war (Hmm)

戦争に行く前に金を稼げ

 

Put the mask on like a luchador (Hmm)

ルチャドールみたいにマスクをつけろ

 

My dawg didn’t make it to 21, so I gotta make it past 24

俺のダチは21にもなれなかった。俺は24歳を迎える

 

[Verse 2]

Pourin’ out scotch

スコッチを注ぐ

 

Gas, all in my brain, it fumigated my thoughts

ガス、俺の脳内すべてに、それは俺の考えを炙った

 

Thinking ‘bout intricate plots to get out the hood, 

フッドを出るための入り組んだ策を練る

 

that’s when I started to jot

リリックを書き始めた頃に

 

Not givin’ the opportunity to let the devil ruin me, no

悪魔に俺を破滅させる機会を与えるな

 

Even though the jewelry froze, ice cubes get Deeboed

たとえ宝石が凍り付いても、氷(アイスキューブ)が敵を打ち負かす(ディボる)

 

Word on the street, everything heat

噂が広まっている、全てを熱く

 

Everything hot boy, Texas Pete

イケてる男、テキサスピート

 

Pulled up in a Lexus and a Jeep

レクサスとジープをとめる

 

All black, no tag, time for the sweep

オールブラック、タグなし、掃除の時間だ

 

Too many guns, too many sons

多すぎる銃、多くの息子達が

 

Lost in the river of blood in these streets

ストリートの血の川に消えていく

 

Master of none, pastors and nuns

無の支配者、牧師と修道女

 

Let’s bow our heads for the ceremony

さあ喪に服そう

 

[Pre-Chorus]

Jesus, please deliver us from evil

ジーザス、悪魔からわれわれを救ってください

 

Please pray over all my people

俺を取り囲むすべての人々、みんな祈ってくれ

 

What you see in life’s illegal

イリーガルな人生にお前が見たもの

 

I don’t wanna use my desert eagle

俺はデザートイーグルは使いたくない

 

[Chorus]

Big talk, speedboat (Speedboat)

でかい話、スピードボード

 

Pray to God I don’t get repoed (Repoed)

俺が奪われないように神に祈れ

 

Didn’t go to college for a free throw (Swish)

大学でフリースローする道は選ばなかった

 

People gettin’ killed through the peephole (Blah)

その覗き穴から人々は殺されていく

 

Have your money up before you go to war (Hmm)

戦争に行く前に金を稼げ

 

Put the mask on like a luchador (Hmm)

ルチャドールみたいにマスクをつけろ

 

My dawg didn’t make it to 21, so I gotta make it past 24

俺のダチは21にもなれなかった。俺は24歳を迎える

 

Big talk, speedboat (Speedboat)

でかい話、スピードボード

 

Pray to God I don’t get repoed (Repoed)

俺が奪われないように神に祈れ

 

Didn’t go to college for a free throw (Swish)

大学でフリースローする道は選ばなかった

 

People gettin’ killed through the peephole (Blah)

その覗き穴から人々は殺されていく

 

Have your money up before you go to war (Hmm)

戦争に行く前に金を稼げ

 

Put the mask on like a luchador (Hmm)

ルチャドールみたいにマスクをつけろ

 

My dawg didn’t make it to 21, so I gotta make it past 24

俺のダチは21にもなれなかった。俺は24歳を迎える

 

[Outro]

Fo’, fo’, fo’, fo’

Fo’, fo’, fo’, fo’

Fo’, fo’, fo’, fo’

※原文はhttps://genius.com/より引用

曲中に使われているスラング、単語

pennies:1セント銅貨、わずかな金(通常の単語)

conglomerates:IT用語で大企業(スラングではない)

luchador:メキシコのプロレスラーのことで、覆面をつけてファイトマネーでリングにあがる

dawg:doggと同じで友達のこと

gotta:have got toの略で~しなければならない

Arby’sアメリカ合衆国のファストフードチェーンで赤い看板に男性器のような形のロゴ。男性器の隠喩としてもしばしば使われる。ローストビーフサンドが主力商品。

tryna:trying toの略で~しようとする

rock:音楽のジャンル、コカインの泡、バスケットボールなどスラングとしての意味は幅広い

Rottweiler:警察犬の種類

hella:reallyと同じ意味、使い方で、ここでは「死ぬほど」と訳してみた

dial-up:電話回線でインターネットに接続すること。めちゃ遅くてイライラする(スラングではない)

teflon:フッ素樹脂のことだが、ここでは防弾チョッキ(ベスト)の比喩

Polow da Don:リュダクリス、ファーギー、ネリー、アッシャー、Gユニットらを手がけたプロデューサー

donk:まぬけ(通常の単語)

onk極秘計画、エジプトの女神、フィラデルフィアではペニスなど様々な意味を持つスラングだが、この場合はこの後鍵や金庫などのワードが出ているので極秘計画で良さそう。

G’s:金

desert eagle:ハンドガンの名前

jot:書き留める(通常の単語)

Deeboed:敵を打ち負かすという意味。その語源は1995年の映画「Friday」で主演のアイスキューブが敵のDeeboを打ち負かす様を表現している。日本語にしたら「ディボる」とかそういう言い方がしっくりくるな。

Word on the street:噂やニュースが広まっていること(当サイトのタイトル!)

Texas Pete:アメリカのホットソース(タバスコのようなもの)赤いパッケージ

こう見ると、スラングよりも聞いたことがない単語や、商品名、人名などのほうが多かった。

感想

まず最初に語りから始まるこの曲。

I went from stickin’ pennies in the jar to offshore bank accounts

直訳すると、小銭からオフショア銀行口座にいった。となるのですが、「状態」というニュアンスを勝手に補足して、

「俺は瓶の中のわずかな金(しかない状態)からオフショア銀行口座(を作るまで)にいった。」と訳させてもらいました。

そのあとにはconglomerates(大企業)なんていうIT用語なんかも使ってくるもんですから、かなり先行き不安だったんですが、それ以外はそこまで難しい用語は出てきませんでした。

 

ただ、お店や人物や商品などで言葉遊びしている部分が多く、今回は画像検索がかなり役立ちました。

Arby’sやTexas Peteは赤がテーマカラーの店、商品で、カリーの曲の中にはBLOODSを連想させる赤いものが頻繁に出てきます。

 

また、この曲ではカリー自身のキャリアを語っている部分もあり、下記の3つのラインからカリーの背景を少し読み解くことができると思っています。

Didn’t go to college for a free throw (Swish) 大学でフリースローする道は選ばなかった

Either go to school, go to jail or the army 学校に行くか、ムショ行きか軍隊に入るか

Thinking ‘bout intricate plots to get out the hood, that’s when I started to jot  リリックを書き始めた頃、フッドを出るための策を練る

カリーはHOODから抜け出したかった。それをするには普通は学校に行くか刑務所に入るか軍隊に入るしか方法はない。だけどカリーはリリックを書いた。それでこの街を出る計画を始めた・・・

 

また、この曲の中で最もエモさを感じたラインは

My dawg didn’t make it to 21, so I gotta make it past 24

カリーの仲間は21歳にもなれずに亡くなり、その出来事は、カリーに絶対生き抜いてやるという覚悟を与えたというのがわかるラインです。

このMy dawgは故XXXtentacionのことを指しているといわれています。

かなり反復される短いフックの中の1番最後のラインですので、すごく印象に残りやすいライン。カリーのシリアスさが伝わります。

My dawg is gone and the result is to have my teflon

ヴァース1のこちらのラインでも、友が亡くなったことがきっかけで、カリーは防弾ベストを着るようになった。と補足していますね。

 

ice cubes get Deeboed”や、”Throw some D’s on the donk”などの言葉遊びを翻訳するのは結構大変でしたね。DonkからDを取る(onk)みたいな遊び方はすごい胸が熱くなるんですが、onkってなんぞや!?単語帳にないぞよ!?しかも調べても全然違う意味が複数・・・と結構混乱しましたが、前後で強盗の話をしているのと、MVも強盗のシーンが強かったので、おそらく「極秘計画」と認識して間違いはなさそうです。

 

最後に。

“Master of none, pastors and nuns”無の支配者、牧師と修道女

“Let’s bow our heads for the ceremony”さあ喪に服そう

カリーさん特有のゴスった感じが最高でした。

直訳で、「その式で頭を垂れよう」となるので、ゴスっぽく、「さあ喪に服そう」と訳させていただきました。

 

このように、カリーさんのリリックはとても深いので、ZUU収録曲はこれからどんどん訳していこうと思います。

Denzel Curry和訳一覧